9-1.『マクロビオティック』とは

マクロビオティックという耳慣れない言葉を聞くと、最近急に
出てきた流行のように考えられるかも知れませんが、
この考え方は、西洋文化の中でもずっと息づいてきたものです。

「マクロビオティック」とは、元々は古代ギリシアの哲学者や
医学者が使っていた言葉でした。

ソクラテス以前の古代ギリシアでは、大きな宇宙や自然の
あり方に適応した生き方を「マクロバイオス」と呼んでいました。

マクロビオティックとは、そのための生活術、生活方法のことです。

マクロビオティックについて関心を持たれる方の多くは、
初めのうちはこれを単なる食事法のことだと思われるのですが、
実は、人間生活の全般を含んでいるもっと大きな体系のこと
なのです。

只、人間の生活の基本となるのは環境と食物ですから、
マクロビオティックでは環境と食物に基本を置き、重視して
いきます。

ギリシアの思想の中には、環境と食物を正すことが健康に
つながり、心を正し、長生きする方法であるという考え方が
ありました。

例えば、ギリシアの哲学者で医者でもあったピポクラテスは、
病気というものは環境と食事の違いからくると考えていました。
 
こうしたギリシア哲学の考え方は、古代ローマの文化を経由して、
現代のヨーロッパ文化にも受け継がれています。

例えば、転地療法というものがあります。病気の人を温かい
地方や空気の乾いた地方で静養させる治療法のことですが、
これなどは、環境を正すことで病気を治そうというギリシアの
発想にその根源を求めることができます。

同様の考え方は東洋文化の中にもあり、日本文化の中にも
あります。

ただ、現代社会では食べ物を取るときに、必ずしもそうした
伝統的な考え方が反映されているとは限りません。

そこで、自然に適応した昔の生き方を見直し、伝統食のよさを
再び取り戻そうと考えて、私は「マクロビオティック」を提唱して
きました。

欧米の多くの知識人は「クシマクロビオティック」とも呼んで
います。

食物は人の健康や心に影響を与えます。

そして、その影響は人の姿かたちにも現れてきます。

宇宙の摂理や自然に適合していないような食生活をしていると、
人が本来持っている美しさも損なわれてくるのです。

私は人間を健康にし、穏やかで平和な心を持つようにしてくれる
食生活を求めて、約半世紀にわたり、古今東西、あらゆる食文化
について研究してきました。

そして、今の欧米型の食生活は間違っているという結論に
達しました。

食生活の間違いを正せば、人は本来の姿を取り戻し、
体も心も美しくなると確信したのです。

ここからは、現代の食生活について特に重大であり、
できるだけ早く直したほうが良い「四つの問題点」について、
お話をします。

1.タンパク質は動物ではなく植物から
2.脂肪分は少なくして、植物から取りましょう
3.砂糖の取りすぎは心身の美しさを失わせます
4.牛乳は子牛用です。人には向いていません

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